かつお節の形は、カツオの部位と切り方によって決まります。
本枯節に加工する場合、まるごとを3枚におろし、2つの身を背側と腹側に切り分けます。
最初に行われるこの「生切り」と呼ばれる工程で、どう切り分けるかが職人の腕の見せどころ。
歩留まりだけでなく、最終的なかつお節としてのビジュアルに直結するため、気の抜けない真剣勝負です。
山吉國澤百馬商店の生切りでは、3~4種類の包丁を使い分けます。
土佐のスタイルを継承し、両刃の包丁を用いた昔ながらの切り方を実践しているのも特徴。
サイズの違いや質を見極め、1日に加工する2000~ 3000匹を全て手作業で行う様子は圧巻です。
まだどの工場も手作業で生切りを行っていた頃は、それぞれ独自の切り方があり、かつお節の形で製造元が分かったとか。
美しさと削りやすさを兼ね備えた形状にも、ぜひ注目してみてください。
写真奥から手前にくるにつれて、だんだんと鰹節の形になっていく。
最後の形を決めるのは知洋(ともひろ)専務